包茎における基礎知識および主な包茎手術の方法について

包茎における基礎知識および主な包茎手術の方法について

まず、包茎とは、男性の陰茎の亀頭の部分が包皮に覆われていて外に出てこられないこと、および、外に出ることに痛みや問題が伴う状態のことを指します。包茎では恥垢が溜まりやすく、悪臭の原因になってしまったり、時には早漏の原因となりうることもあります。また、不衛生になりがちなので亀頭炎や包皮炎など炎症を起こしやすいこと、包茎であるというコンプレックスが原因で勃起不全になってしまう場合もあります。
包茎には大きく分けて、「仮性包茎」、「嵌頓(かんとん)包茎」、「真性包茎」の3種類があります。「仮性包茎」とは、平常時には亀頭が包皮の中に隠れてしまっていますが、勃起時には特に問題なく亀頭が外に出るタイプの包茎です。仮性包茎は包皮に隠れてしまう程度によって重症度が変わってきます。ひどい場合には、勃起時にも包皮がたくさん残ってしまい亀頭が少ししか出ません。また、仮性包茎での不衛生が原因で炎症を繰り返すことにより、かんとん包茎に移行してしまうこともあります。「かんとん包茎」とは、包皮輪(開口部の包皮)部分が狭く、亀頭を出そうとするときつく締めつけ感があったり、勃起時にはきつい締め付けのために亀頭を全部出すことのできないタイプの包茎です。無理に剥いてしまうと亀頭の下が大きく腫れあがり、まるでドーナツのようになってしまって元に戻らなくなることもあるので注意が必要です。その場合には早急に手術が必要となります。かんとん包茎の場合にも、包皮炎を繰り返すことで、真性包茎に移行することがあり得ます。「真性包茎」とは包皮輪が極端に狭く、平常時にも勃起時にも、亀頭が包皮の中に隠れたまま外に出てこられない状態の包茎で、包茎の中で一番重症です。真性包茎では、亀頭炎が引き金となって包皮と亀頭が癒着してしまうこともあります。現在行われている主な包茎手術方法としましては、まず「環状切開」法があります。余分な包皮を環状に切除し縫合する、手術時間20分程度の簡単な手術で、包茎手術の中では最もポピュラーな方法です。近頃では、裏スジの部分は切らずに残しておくのが一般的となっていますので、感度が下がる心配がありません。
一方で、手術痕が目立ちやすかったり 、亀頭付近のピンク色の皮膚と根元付近の黒っぽい皮膚を繋ぐために「ツートンカラー現象」が起こってしまい見た目が悪くなるというデメリットがあります。
次に「背面切開」法とは、包皮の開口部分から縦に切開して、亀頭が出やすいように広げてから縫合する方法です。手術時間も15分程度と短く、全身麻酔をかけて行われること、包皮を切除しないという点から、子供の包茎手術にもよく用いられる手術法です。負担が少ない反面、術後に余った包皮がたるんだりして見ためが悪くなってしまったり、亀頭と包皮が癒着していた場合には再癒着してしまうおそれもあります。「亀頭直下埋没」法とは、勃起時の長さに合わせて余分な包皮を切除し、丁度「カリ」の部分で縫合する方法です。縫合する部分が亀頭の下であるため傷跡が目立ちにくく、平常時にも亀頭が出ている状態にできます。反面、医師の確かな腕、繊細な技術が必要となり、病院選びをしっかり行わないと術後のトラブルに見舞われるおそれもあります。また入浴や運動ができなかったりと、術後の制約も多いので、手術をする前に確認が必要です。4つ目に、「ナチュラルピーリング」法があります。亀頭が出ている状態にしたまま、包皮を糸で固定する方法です。つまり、皮を剥いた状態で癖をつけるという方法になりますので、包皮を切除しないで済む点は良いのですが、仮性包茎にしか適しません。術後の痛みや傷跡の心配がない点ではとても良いのですが、癖がうまくつかずに戻ってしまうこともあります。また、重度の仮性包茎の場合には手術ができないことがあります。5つめとして「複合曲線作図」法があります。切除するラインがカリの部分によって隠れるように、さらに裏スジを残すようにと計算、作図をした上で、包皮の切除を行う手術法です。この方法ですと、手術跡が見えずにとてもきれいな仕上がりとなりますが、出血量を抑える計算も丁寧にされているために手術時間が他の包茎手術と比べると、どうしても長くなります。ですが、出血量を少なく抑えられる(2cc程度といわれています)点は大きなメリットでもあります。最後に、「根元部固定」法があります。亀頭が出ている状態にしたまま、包皮を医療用接着剤で固定する方法です。切除しない点でナチュラルピーリング法と似ていますが、縫わない分こちらの方が術後の回復が早く、短期間で通常の生活やセックスが出来るようになります。かんとん包茎や真性包茎には向いていないこと、元に戻ってしまうおそれがある点では同じです。その場合には再度手術を受けなければなりません。
いずれにしても、ご自分の包茎のタイプをよく知り、信頼できる医療機関をよく見極め、先生とよく相談をしながら一番納得のいく方法で手術をされるのが一番大切です。